基礎知識

ATSとは?採用管理システムの機能・導入効果・選び方【20〜300人の会社向け】

採用の相談で「ATS を入れたほうがいいのか」と聞かれることが増えました。ATS は Applicant Tracking System の略で、日本語では採用管理システムと呼ばれます。この記事では、ATS が何をする仕組みか、主な機能、スプレッドシートやメールでの管理と何が違うのか、導入で何が変わるのか、20〜300人の会社が選ぶときに見るべき観点を、採用担当・人事の方向けに整理します。

ATS(採用管理システム)とは何ですか?

ATS とは、求人の作成・公開から、複数の経路で届く応募の集約、選考の進捗管理、面接日程と評価の記録、採用データの分析までを、1か所でまとめて行うための仕組みです。採用に関わる人が増えるほど増える事務作業と情報共有を、仕組みで引き受けます。

ATS(Applicant Tracking System/採用管理システム)
応募者(Applicant)を追跡(Tracking)する仕組み。求人ごとに応募者を登録し、書類選考→面接→内定→入社のような選考の段階(ステージ)をたどりながら、誰が・どの求人で・今どこまで進んでいて・次に誰が何をするかを、採用に関わる全員が同じ画面で見られるようにする。

もともとは応募が多い大企業が「誰の書類がどこにあるか」を追うために使い始めた仕組みですが、いまは求人媒体が複数になり、面接官が現場社員に広がった中小企業でこそ効果が出ます。応募通知が媒体ごとに別々のメールで届き、面接官への共有がチャットとファイルで散らばる状態は、20人の会社でも普通に起きるからです。

ATS には、どんな機能がありますか?

主な機能は「集める」「進める」「見極める」「つなぐ」の4つに分けると整理しやすいです。製品によって名称は違いますが、中身はおおむね次の表に収まります。

段階機能何が楽になるか
集める求人作成・公開求人ページ・応募フォーム/求人媒体からの応募取り込み/人材紹介会社・社員紹介の受け付け媒体ごとの応募通知を転記しなくてよくなる。経路が自動で記録される
進める候補者台帳/選考ステージ(パイプライン)/担当者と対応期限/面接日程・カレンダー連携/候補者への連絡「誰がどこまで進んでいるか」「次に誰が動くか」を探さなくてよくなる
見極める評価フォーム/面接官の限定表示/書類の下読み・面接の文字起こしなどの AI 支援評価が同じ形式で集まり、比較できる。読む・書く時間が減る
つなぐ応募経路・担当者別のレポート/内定者情報の入社手続きへの引き渡し/他システムとの連携どの媒体が効いているかが数字で見える。内定後の再入力がなくなる

すべての機能を最初から使う必要はありません。多くの会社は「求人を公開して応募を1か所に集める」から始め、面接官が増えた時点で選考ステージと評価フォームを整え、応募が増えた時点で媒体連携と AI 支援を使い始めます。機能の詳しい説明は ChordOne ATS の機能一覧 を例として参照してください。

スプレッドシートやメールでの管理と、何が違いますか?

いちばん大きな違いは、「情報を入れる人」と「情報を見る人」が同じ画面を使うことです。表計算では、入力するのは採用担当、見るのは面接官や経営者で、その間に「共有する」という作業が毎回はさまります。

表計算での管理は、応募が月に数件で面接官が1〜2人のうちは問題なく回ります。崩れ始めるのは、媒体が3つを超えて応募通知が1日に何通も届くようになった時、面接官が5人を超えて評価の回収に追いかけが必要になった時、そして候補者から「前回の面接で伝えたはずのこと」を聞き返してしまった時です。これらは表計算の欠点ではなく、「共有する」作業を人が担っている構造の限界です。詳しい症状と移行の手順は スプレッドシート採用管理の限界 にまとめています。

もう一つの違いは個人情報の扱いです。履歴書を含むファイルを共有フォルダやチャットで回すと、誰が閲覧できるかを細かく制御しにくく、退職した面接官のアクセスが残ることもあります。ATS では面接官に担当する候補者だけを見せる権限設定ができ、閲覧の範囲が明確になります。

ATS を導入すると、何が変わりますか?

変わるのは「採用担当の時間の使い方」「面接官の巻き込みやすさ」「採用の振り返りができること」の3つです。採用成功率のような数字は会社の状況で大きく違うため、この記事では約束しません。

  1. 採用担当の時間が、転記と催促から判断と候補者対応に移る。媒体からの応募が自動で台帳に入り、面接官への共有と評価の回収が仕組みで回ると、「情報を動かす」仕事が減ります。AI の下読みや面接の文字起こしがあれば、「読む」「書き起こす」時間も減ります。
  2. 面接官が増やしやすくなる。担当する候補者と面接だけが見え、評価フォームに書くだけでよい状態になると、現場の社員に面接を頼みやすくなります。採用を人事だけの仕事にしないための前提です。
  3. 「どの経路で、どんな評価の人が、入社後どうなったか」を振り返れる。経路と評価が記録として残るので、媒体の予算配分や選考基準を次の採用サイクルで見直せます。入社後の従業員データと同じ基盤にある ATS なら、この振り返りに突き合わせの手作業が要りません。

20〜300人の会社は、ATS をどう選べばよいですか?

「応募がどう入ってくるか」「料金が何で決まるか」「AI が標準か」「内定後のデータがどこへ行くか」「主な対象規模」の5つで見ると、機能一覧を読み比べるより早く絞れます。

  • 応募の入り方(媒体連携の方式): 媒体と直接つなぐ、転記代行ソフトを使う、応募通知メールを取り込む、の3方式があります。新しい媒体を足すときに誰の作業が要るかで差が出ます。人事担当者だけで設定できる方式だと、媒体の入れ替えが気軽になります。方式の違いは 求人媒体とATSの連携 を参照。
  • 料金の決まり方: 候補者数、応募数、ユーザー数、固定月額のどれで決まるかを確かめ、自社の年間応募数と使う人数で年額に直して比べます。応募が集中する月にプランが変わる方式は、予算が読みにくくなります。
  • AI 支援が標準かオプションか: 書類の下読み、面接の文字起こし、スカウト文面の下書きが標準に含まれるか、追加料金かを見ます。専任担当が1〜2人の会社では、この差が毎週の時間に直結します。
  • 内定後のデータの行き先: 人事システムがすでにあるなら連携のしやすさを、これから整えるなら採用データがそのまま従業員台帳・評価につながる製品を選ぶと、二重入力が起きません。
  • 主な対象規模: 公式サイトの記述から、その製品が年間数人の採用を想定しているのか、数千件の応募を想定しているのかを読み取り、自社の規模がそこに入っているかを確かめます。

この5観点で主要な製品を並べたものが 中小企業向けATS比較 です。無料で始めたい場合は、無料枠の制限の見方を 無料で使えるATS にまとめています。

ChordOne ATS は、どういう ATS ですか?

ChordOne ATS は、20〜300人で採用を続けている会社を主な対象にした採用管理システムです。求人作成と会社の公開求人ページ、候補者台帳と求人ごとの選考ステージ、面接管理と評価フォーム、候補者ポータルを備え、engage・Green・BizReach・doda・マイナビ転職・エン転職・Wantedly・YOUTRUST の8媒体からは応募通知メールの宛先に連携用アドレスを追加するだけで応募が自動登録されます。書類選考エージェントと Bot なしの面接録音・文字起こしは標準搭載で、内定者は同じデータで従業員台帳・評価につながります。従業員20名まで無料、21名以上は採用に関わるユーザー数 × 月500円です。

よくある質問

ATS と人材紹介会社(エージェント)の管理ツールは同じものですか?

基本は同じ仕組みですが、紹介会社では「求人企業と案件」「候補者(求職者)」の両方を扱うため、企業ごとの契約条件や売上見込みを管理する機能が必要になります。ChordOne ATS には人材紹介会社向けの候補者CRM機能が含まれています。

新卒採用にも ATS は使えますか?

使えます。新卒採用は同時期に多数の応募が集まり、説明会・筆記・複数回の面接と段階が多いため、選考ステージを自由に組める製品が向きます。中途と新卒で選考の流れが違う場合は、求人ごとにステージを設定できるかを確認してください。

何人くらいの会社から ATS が必要になりますか?

人数より「媒体の数」「面接官の数」「月の応募数」で決まります。媒体が3つ以上、面接官が5人以上、応募が月10件以上のいずれかに当たれば、表計算では共有の手作業が追いつかなくなることが多いです。20名以下でも無料で使える ATS があるので、人数を待つ必要はありません。

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