採用経路

人材紹介会社との選考をATSで管理する|推薦の受け付け・共有・契約書の紐付けの考え方

人材紹介会社(エージェント)は、20〜300人の会社にとって、自社だけでは出会えない候補者に届く経路です。ただ、付き合う紹介会社が3社を超えると、推薦がメールの添付で届き、選考結果の連絡が会社ごとに違う担当者へ散り、「この候補者はどの会社からの推薦で、契約条件はどれか」が分からなくなります。この記事では、企業側の採用担当向けに、紹介会社からの推薦をどう受け付け、選考状況をどこまで共有し、契約書と推薦をどう結び付け、経路ごとの成果をどう見るかを、ATS(採用管理システム)で整える考え方として整理します。後半では、紹介会社側が自社の業務で使う仕組みとの違いにも触れます。

紹介会社が増えると、何が起きますか?

推薦の受け付け・選考結果の連絡・契約条件の確認が、会社ごとに違うメールのやり取りに分かれ、候補者台帳とつながらなくなります。同じ候補者が別の会社からも推薦される「重複推薦」の判定も難しくなります。

人材紹介(エージェント経由の採用)
人材紹介会社が求人企業に候補者を推薦し、選考を経て入社が決まると、企業が紹介会社に紹介手数料を支払う採用経路。企業と紹介会社のあいだには、手数料の条件や返金の規定などを定めた契約が結ばれる。紹介会社の担当者は候補者の意向を企業に伝える役割も担うため、企業側は選考状況を紹介会社に共有する必要がある。

具体的には、推薦の履歴書が担当者個人のメールに届き、別の面接官が同じ候補者を別の求人で検討していることに気づかない。内定が出た候補者について、どの契約条件が適用されるかを契約書のファイルから探し直す。紹介会社ごとの推薦数・内定数を出そうとして、メールを数え直す。いずれも、推薦が「候補者台帳の1行」ではなく「メール」として存在していることから起きます。

推薦の受け付けは、どう整えますか?

推薦を「担当者へのメール」ではなく、「紹介会社ごとの受け付け口」から候補者台帳に直接入れる形にします。受け付けた時点で経路(どの紹介会社か)が記録され、重複推薦の確認ができます。

受け付け口のかたちは製品によって違いますが、考え方は共通です。紹介会社ごとに専用の入口(ポータルや専用の送信先)を用意し、紹介会社の担当者はそこから候補者情報と書類を登録します。企業側では、登録された候補者に「経路: 紹介会社 A」「推薦日」「紹介会社側の担当者」が自動で付いた状態で台帳に入り、同じ人が別の経路(自社の公開求人ページ、他の紹介会社)からすでに登録されていれば、その時点で分かります。

受け付け口を作るときに決めておくことは3つです。①どの求人を紹介会社に公開するか(全求人か、依頼した求人だけか)。②紹介会社に登録してもらう項目(氏名・連絡先・現職・希望条件・推薦理由など)。③重複推薦の扱いのルール(先に推薦した会社を優先する、自社の公開求人ページからの直接応募が先にあれば紹介会社経由としない、など)。③は契約上のトラブルになりやすいため、契約書の条項と合わせて先に決め、紹介会社にも伝えておきます。

選考状況は、どこまで共有しますか?

共有するのは「選考の段階」「次の予定」「合否の結果」。共有しないのは「面接官の評価の中身」「他の候補者との比較」「社内の判断の経緯」です。この線引きを先に決めると、担当者ごとの判断のぶれがなくなります。

紹介会社の担当者は、候補者に選考状況を伝え、面接の日程調整を仲介し、内定時には条件の交渉を担います。そのため「今どの段階か」「次の面接はいつか」「結果はどうだったか」は速く正確に共有する必要があります。一方、面接官が評価シートに書いた根拠や、社内で他の候補者とどう比べたかは、候補者本人の個人情報と社内の判断に関わるため、共有の対象にしません。不採用の場合に伝える理由は、候補者へのフィードバックとして紹介会社が使える範囲(「今回は◯◯の経験を重視した」など)に整えたものだけにします。

共有の手段がメールだけだと、送り忘れや人による表現の違いが起きます。紹介会社側から選考状況を見られる仕組み(ポータル)があると、「今どうなっていますか」という問い合わせと、それに答える時間が減ります。面接官が見る画面と紹介会社が見る画面の範囲が分かれていることが、この運用の前提です。

契約書と推薦は、どう結び付けますか?

紹介会社ごとの契約書を、その会社からの推薦すべてにひも付いた状態で保管します。内定が出たときに「この候補者に適用される条件」を探し直さないための整え方です。

契約条件は紹介会社ごとに違い、同じ会社でも契約の更新で条件が変わることがあります。契約書のファイルが共有フォルダに置かれ、推薦はメールで届く、という状態では、内定のたびに「この人の推薦時点で有効だった契約はどれか」を確認する作業が発生します。紹介会社を1つの単位として台帳に登録し、契約書をその単位にひも付け、推薦はその単位の下に並ぶ、という構造にすると、候補者を開けば適用される契約が分かります。返金規定の期間(入社後の早期退職に関する条件)も同じ場所で確認できるようにしておくと、入社後の手続きが楽になります。具体的な手数料率や返金条件は契約ごとに異なるため、この記事では数字を扱いません。

メールでの運用と ATS での運用は、何が違いますか?

いちばんの違いは、推薦が最初から候補者台帳の中に、経路と契約の情報を持って入ることです。メール運用では、その状態を人が作り続ける必要があります。

場面メールと共有フォルダでの運用ATS(紹介会社ポータル)での運用
推薦の受け付け担当者個人のメールに履歴書が届き、台帳へ手で転記する紹介会社ごとの入口から登録され、経路・推薦日・担当者が付いて台帳に入る
重複推薦の確認氏名で台帳を検索して目で確認する登録時点で既存の候補者と照合され、経路の履歴が残る
選考状況の共有担当者が結果を会社ごとにメールで送る。送り忘れ・表現の違いが起きる紹介会社が自分の推薦した候補者の段階と結果を確認できる
契約条件の確認共有フォルダの契約書を探し、推薦時点の有効性を確認する紹介会社の単位に契約書がひも付き、候補者から適用条件にたどれる
経路別の成果メールを数えて集計する経路が記録されているので、紹介会社別の推薦数・面接数・内定数を絞り込みで数えられる
求人の案内求人票を PDF で送る。更新のたびに再送する推薦依頼メールと説明会の案内を送り、対象求人を紹介会社側の画面に公開する

ChordOne ATS では、人材紹介会社ごとのポータルで推薦を受け付け、契約書をひも付け、推薦依頼メールや紹介会社向け説明会の案内を送れます。推薦された候補者は、媒体からの応募・自社の公開求人ページからの直接応募・社員紹介と同じ候補者台帳に「経路: 人材紹介」として入るため、経路ごとの成果を並べて比べられます。紹介会社の担当者は料金の対象となるユーザー数に数えません。機能の詳細は 機能一覧 と よくある質問 を参照してください。

紹介会社ごとの成果は、どう見ますか?

「推薦数」「面接設定率」「内定率」「入社後の定着」の4つを紹介会社ごとに並べます。推薦数が多い会社より、面接に進み内定に至る割合が高い会社が、自社の求人を理解している会社です。

見方は、媒体の歩留まりと同じです(採用歩留まり(通過率))。紹介会社 A は推薦が多いが書類選考でほとんど落ちる、紹介会社 B は推薦は少ないが面接まで進む割合が高い、という違いが見えると、A には求人の必須条件を改めて伝え、B には依頼する求人を増やす、という判断ができます。入社後の定着まで見られると、「どの紹介会社からの人が長く活躍しているか」で次の期の依頼先を決められます。ChordOne ATS では内定者が同じデータで従業員台帳に登録されるため、経路と入社後の評価を突き合わせる作業に手作業が要りません。歩留まりの見方の詳細は 採用の歩留まりを改善する をご覧ください。

紹介会社側が使う仕組みとは、何が違いますか?

企業側の ATS は「自社の求人に来た候補者を選考する」道具、紹介会社側の仕組みは「候補者と求人企業の両方を管理し、紹介の売上を見通す」道具です。同じ「候補者管理」でも、扱う単位が違います。

紹介会社の業務では、候補者(求職者)の職歴・希望条件・接触履歴に加えて、求人企業ごとの求人・契約条件・担当者、そして「どの候補者をどの企業のどの求人に推薦し、今どの段階か」という案件の進捗を扱います。売上は入社が決まったときに発生するため、進行中の案件と想定手数料、選考段階の確度から月次・四半期の売上見込みを立てる必要があります。企業側の ATS にはこの「企業側 CRM」と「売上見込み」の部分がありません。

ChordOne ATS には人材紹介会社向けの機能も含まれており、候補者CRM(職歴・スキル・希望条件・接触履歴・面談メモ)、条件に合う過去候補者の抽出、最終接触から一定期間での定期フォロー、求人企業CRMと案件パイプライン、進行中の案件と想定手数料・確度からの売上見込みの集計、Chrome 拡張でのプロフィール取り込みに対応します。料金は企業の採用チームと同じで、従業員20名まで無料、21名以上は月500円/ユーザーです。詳しくは 人材紹介会社向けの案内 をご覧ください。

よくある質問

紹介会社に ATS のアカウントを渡すことになりますか?

紹介会社の担当者は、自社の推薦した候補者に関する画面(ポータル)だけを使い、社内の候補者台帳や面接官の評価は見られません。ChordOne ATS では紹介会社の担当者は料金対象のユーザー数に数えません。

同じ候補者が、自社の求人ページと紹介会社の両方から来た場合はどうなりますか?

台帳上は同じ人として1件にまとまり、経路の履歴(どちらが先か)が残ります。どちらの経路を採用経路として扱うかは、紹介会社との契約と社内ルールで先に決めておき、紹介会社にも伝えておくことをおすすめします。

紹介会社が数社しかない場合も、ポータルは必要ですか?

2〜3社で推薦が月に数件なら、メールで受けて担当者が台帳に登録する運用でも回ります。ただし、その場合も推薦を台帳に入れる(メールのままにしない)こと、経路と契約を候補者に結び付けることは同じです。紹介会社が増えたときにポータルへ移せる製品を選んでおくと、運用を変えずに済みます。

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